2016年4月、その昔現役の頃、口にした炭酸にライムの生搾+スライスを沈めたジンライムの爽快な味わいを忘れられなくて、自宅でもBBQの時などに再現したくなり2本植えました。
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ライムの四季
春
2019年5月14日撮影
ライムの花が一斉に咲き始めました。2㎝程の小さな白い花が爽やかな香りを漂わせています。
夏
2020年9月5日撮影
イイ感じに実っています。早速収穫です。
只今禁酒中なので炭酸とハチミツで割って飲んでみました。(爽やかで美味です)
秋
2020年11月13日撮影
秋の収穫です。豊作です。
冬
2022年2月2日撮影
初めての剪定と寒肥を行いました。樹高が2m程に成長しました。
混みあっていたので、かなり枝を切りました。
採り遅れのライム。ライムは完熟するとレモンのように黄色くなります。ただ、まだ香りはライムのままでした。ジャムにする予定です。
寒肥は、油粕と腐葉土。我流です。
ライムのデータ
基礎知識
原産地
インド北東部からミヤンマー、ヒマラヤ地方、東南アジアの熱帯~タヒチなどの南洋諸島に分布しています。
学名
Citrus aurantiifolia(シトラス・オーランティフォリア)
ラテン語の「オーランティフォリア」は黄金色の葉の~の形容詞だそうですが、若葉も薄い緑色ですし全くの常緑なのですがなぜ???)
(英)Lime,Key Lime
余談ですが、英語の(rhyme)は、音はライムでも「韻」「音韻」で同じかにている響きの言葉を繰り返すヒップホップのような・・・。これは、ラテン語から「連続」という意味から来ています。
科名 / 属名
ムクロジ目 / ミカン科 / ミカン属ライム種
名前の由来
ライムの名前は、アラビア人が地中海地方にライムを広めたことからアラビア語に由来し、レモンと同語源です。
大航海時代に乳酸発酵の塩漬けキャベツと共にビタミンC欠乏症である壊血病の対策、治療にライムが用いられたことからなのか、イギリス軍が壊血病を予防するためにライムを食べていたことからアメリカのスラングでイギリス人の事をライム野郎(Limey)と呼んでいたのだそうです。
因みにイギリスでは、ライムはレモンと同様に柑橘系全般の意味で使われています。
品種
ライムには大きく分けてメキシカンライムとタヒチライムの2種類がありますが、近年では少し変わった形のフィンガーライムも注目されてきています。メキシカンライムは重さが30~50gと小さく、タヒチライムはやや大きめの100g前後です。
メキシカンライム:
メキシカンライムは、原産地はインドとされ現在ではメキシコで定着したことが名前の由来です。主産地はメキシコですが原産地のインドの他エジプトでも栽培されています。
果実は50g程度の濃緑色の小玉です。切ると種がやや多めですが、果汁が多く風味もよい品種です。
アメリカで「キーライム」と呼ばれているのもメキシカンライムのようです。
タヒチライム:
タヒチライムは、現在の主産地はフロリダですが、もともとその名のとおりタヒチ島で栽培されていたものが19世紀後半にカリフォルニアに持ち込まれ栽培されました。
果実は100gほどの黄緑色の大玉です。切ると種が極少なく果汁が豊富です。樹のトゲも少ないです。また、耐寒性も強いので日本でも育てやすい品種です。
フィンガーライム:
只今栽培中につき記事投稿出来次第リンクを貼ります。
フィンガーライムを前島で栽培実験開始!
形態
常緑中低木
樹高
2m~3m
開花時期
5月~6月
ただし、タヒチライムは5月~6月、7月~8月、9月~10月
耐寒性 / 耐暑性
やや強い / 強い
用途
食用として、レモン同様に料理の香り付け、ライムソーダ、ライムウォーター、カクテル、ピクルス、ジャム等々。ビタミンCやミネラルが豊富なので風邪やウィルス予防にも効果が期待できます。花は鑑賞にも良いと思います。
特性
花は四季咲き性が強く、年に何回もたくさん花を点けますが、結実性は低いです。ただし、自家結実性ではあります。
果実はレモンに比べると酸味はやや弱く独特の苦みがあり、香りが爽やかです。
ライムの栽培メモ
我が家で栽培しているのは、タヒチライムなので記事もそれ中心になっています。
ふやし方
挿し木:6月~7月が適期。勢いのある枝を10㎝ぐらいに切り水につけ置きして、挿し木用の土地や赤玉土(小)などに挿して発根するまで乾かさないように注意して待ちます。発根したら鉢などに移します。
栽培環境
日当たりのよい、水はけのよい肥沃な土地が良いです。寒さにはあまり強くないとのことですが、我が家では-3℃を経験しましたが問題なく越冬しました。
土づくり
鉢植えの場合、赤玉土小粒7:腐葉土3を混ぜたものなど。土はあまり選ばない。
露地植えは、大きめに掘り上げた土と腐葉土を混ぜて埋め戻す。
植え付け
3月中旬~4月中旬が適期。鉢植えの植え替えは、通気のため2年~3年に1回必要。
水やり
鉢植えの場合、土が乾いたらそこ穴から流れるくらいみずやりします。露地植えの場合は、根付いた後は特に必要なし。
施肥
露地植えは、3月、6月、10月に有機肥料、鉢植えは3月、6月、10月に緩効性化成肥料か有機肥料を株元に追肥。
摘果
不要。
収穫
9月下旬~12月下。放置すると黄色く完熟します。
剪定
3月~4月が適期。
苗木が小さい時期は、剪定を控え成長を待ちますが、3年ほどで樹形が完成するので時期を見て剪定し
主要枝を見極めて3本程残し、翌年に主枝を横に拡がる様に誘引します。開心自然形仕立てられます。
剪定は強く行うほど枝葉が少なくなり樹勢を弱めることがあるので、枯れ枝、下垂枝、夏秋梢、混みあい枝を適切に剪定し、徐葉率20%以下に留めます。また、不要枝を剪定する時、根元を残すとそこから枯れてしまうことがあるので付け根から切り取ります。
柑橘類のその年に伸びた枝(1年生枝)は、春枝の果梗枝(注)、摘果枝(注)、発育枝(注)があります。もとの樹には果梗枝、摘果枝、発育枝が混在しています。その年の花数は少ない状態ですと発育枝の発生が多いので翌年は花数が多くなります。
隔年結果している場合の着果が多い予定の表年には、花数を減らす剪定(予備枝剪定)を早めて強めに行い、裏年には剪定を遅らせ弱剪定を行うことで新梢伸長を抑制し、来年の春枝を充実させ安定に向かわせます。
輪状芽:切り返しした付近に春芽と夏芽の境に当たる輪状芽という節がある場合は、その下で切ることで強い芽を吹かせることができ、数本の発育枝となりますので樹勢回復や骨格形成の剪定として行います。また、10月中旬に輪状芽の先で切ると春芽が多く発生し、結果母枝となり着果が見込まれます。
*注釈
果梗枝:前年に果実を成らせた枝、来年は花が着かず発育枝となります。
結果母枝:そこには花が着かず結果枝が発生します。
結果枝:そこに花が咲き、実を結びます。
病害虫
ライムは病害虫には強いようでわが家では何もしていませんが、今後の備忘録として以下に柑橘類の共通するものなのを列記しておきます。基本的には、枝が混みあわないよう風通しよくしておくのが肝心のようです。
黒点病はかびが原因、枯れ枝に作られた胞子が、雨のたびに流れ出して感染する。切り株や放置された剪定枝からも胞子が飛んで果実に感染するので、病気になった枝等の処分が肝要。果実への主な感染時期は、梅雨や秋雨など長雨の時期。この時期に防除薬剤、マンゼブ剤(ペンコゼブ水和剤、ジマンダイセン水和剤)の予防散布。マシン油の混用も効果あり。
そうか病も、かびが病原菌で、葉の病斑で越冬して、雨が降るたびに伝染する。5月下旬の花が落ちたころから7月下旬までに雨が多いと発生が多くなる。防除は、雨が降る前からペンコゼブ水和剤やデランフロアブルなどの保護剤を定期的に散布する。落弁期は、果実への感染を防ぐのに大切な時期であるので、ストロビードライフロアブルやマネージM水和剤などを使用する。
ミカンサビダニは成虫が芽の隙間で越冬し、6月中旬から7月上旬にかけて葉での寄生が多くなり、その後果実への移動を始め、10月〜11月頃に果実での寄生が最も多くなる。このため、果実への移動を開始する6月下旬頃に防除。サンマイト水和剤やダニカット乳剤20。
アザミウマ類、果実への障害を与える害虫としては、チャノキイロアザミウマが最も厄介である。年間発生するが夏に何回かのピークがある。コテツフロアブルやスピノエースフロアブル、ダーズバンDF、ハチハチフロアブルなど。
カイガラムシ類は発生を確認したら、すぐにスプラサイド乳剤など有機リン剤を散布する。また、冬季のマシン油散布は、カイガラムシ類防除に加え、他の越冬害虫にも効果がある。