ここ瀬戸内海の離島前島では、「バベ」と呼ばれている「ウバメガシ(姥目樫)」は、島内に点在自生し垣根や庭木にもされています。我が家では荒れ果てて藪になっていた敷地を開拓し、毎年少しづつどんぐりを発芽させ植え付けています。
近所の別荘の入り口に植えてあるウバメガシ
目次 ≫
ウバメガシ(姥目樫)の四季
冬
2019年12月撮影 樹高70㎝どんぐり発芽から3年目のウバメガシの苗木
2019年12月撮影 どんぐり発芽から1年目の苗木
散歩道の途中傍らに自生しているウバメガシ。どんぐり収穫放題。
2019年秋ごろに散歩の途中で拾ったどんぐり
2019年12月余っていた種培土にどんぐりを種蒔き
ウバメガシ(姥目樫)のデータ
基本情報
原産地
中国、朝鮮半島、台湾、日本は神奈川県以西の太平洋側海岸寄り、琉球列島に多く自生しています。
学名
Quercus phillyraeoides(クワカス:良質の木材の意味・フィリレアオイデス)
(英)ubame oak
(別)ウバメ、イマメガシ(今芽樫)、ウマメガシ(馬目樫)、バベ
科名 / 属名
ブナ目 / ブナ科 / コナラ属
名前の由来
新芽が茶褐色で一般的な新芽の若緑色と異なるため老女に例えて姥芽(ウバメ)と呼んだことからの説。新芽に含まれるタンニンが多く含まれるため、お歯黒の原料である五倍子(ヌルデ(白膠木))の代用として利用されお歯黒は姥女のイメージからの説など。
品種
チリメンガシ(縮緬樫)(ビワバガシ)(ウバメガシの変種):葉がやや細く縮れていて葉脈がへこんで見える。
フクレウバメガシ
形態
常緑低木 高木になるものもあります。
樹高
3~4m 10m程になるものもあります。
前島では、山の斜面で自生し20m近くある大木に育っているものもあります。
開花時期
4月~5月 雌花は新梢の基部に2~2.5㎝の黄色い尾状花序が垂れ、新梢の上部葉腋には極小さな赤い雌花をつけます。
耐寒性 / 耐暑性
普通 / 強い
用途
生垣、庭木、盆栽:生長は遅いが萌芽力は強い性質を利用して刈り込み、仕立物に多用されます。
街路樹、木炭(備長炭)
特性
葉は小さく密集しやすく落葉が少ない、乾燥に強く病気にも強く材質としては緻密で硬いため備長炭の材料に用いられる。また、切り詰め(強剪定)にも耐える。潮風、大気汚染にも耐用。雌雄同種・雌雄異花
栽培メモ
ふやし方
どんぐり(種)を播いて育苗します。秋に収穫した種をすぐ播くか、乾かさないよう冷暗所で保存し春播きします。ただ生長は非常に遅いです。我が家で直播きしたものは、3年で70㎝程の苗です。程よい庭木にするには20年はかかるそうです。
栽培環境
暖地に適し、日当たりのよい場所を好みます。
土づくり
ウバメガシは根付きしにくいので、苗木を植える場合は、十分な大きさの植え穴に腐葉土を40%程掘り出した土に混和しておきます。
植え付け・植え替え
3月~8月が適期。活着しづらい性質なので植え付けには注意が必要です。
植え替えは難しく、あらかじめ根回しをしておく必要があります。適期は春か秋です。
水やり
苗木の植え付け時にたっぷりと水やりし、植えた後1ヵ月は表土が乾いたらたっぷり水を与えます。根付いたら水やりは不要です。
施肥
2月に緩効性肥料、有機肥料(油粕等)の寒肥。
剪定
5月、7月、9月が適宜。よく出る新梢の切り戻しが中心になります。大きな枝の強剪定は、生長が遅いので取り戻すのに年月がかかるため慎重に行います。
病害虫
うどん粉病
カイガラムシ