移住前からの木、3本。品種は大粒なのでおそらく温州みかん、甘みが強いです。
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みかんの(蜜柑)四季
春
2019年5月14日 ミカンの花が咲き、甘い香りが漂っています。
夏
冬
2020年1月16日
写真は既にコンテナ2杯は収穫しているのに、まだこの様に実がたくさんついています。
花摘みも摘果もしなかったためミカンの樹が悲鳴をあげるほど実りました。
みかんの(蜜柑)データ
基礎知識
みかんの基礎知識を押さえておきます。
原産地
インドのアッサム地方。 日本へは中国を経て室町時代に柑橘類が伝わり、鹿児島県で栽培された種が温州ミカンとして明治時代に広まったとされています。
学名
Citrus unshiu (シトラス・ウンシュウ)品種は温州
(英)mandarin(マンダリン)
(和)ミカン(密柑)、温州ミカン
科名 / 属名
ミカン科 / ミカン属
名前の由来
ミカン(密柑):
中国の温州(浙江省の地名)で柑子(こうじ)と呼ばれていて、渡来した室町時代にそれまでの柑橘とはちがい甘いことから密柑と呼ばれたそうです。
温州ミカン:
江戸時代のミカンと言えば「紀州みかん」が主流でしたが、明治時代に入って種が少ない大玉の温州ミカンが人気になり関東以西の沿岸地域で広く栽培され、特に和歌山、愛媛、静岡、熊本、長崎が有名です。この温州ミカンの原産地は、鹿児島県長島とされています。「長島ミカン」と呼ばれていたものが、中国の温州が柑橘類の名産地だったのでその名にあやかって「温州ミカン」としたといわれています。
英語名のmandarin:
英語圏では”orange”はバレンシアオレンジやネーブルオレンジを指していて、日本のミカンは”mandarin”(マンダリン)と認識されているようです。その由来は、中国清朝の高級官史が着ていた服がマンダリンの色をしていた、または官史の献上品はがマンダリンであった説があります。
品種
温州ミカンは、各地で品種改良され、多くのブランドが作られました。
静岡県:青島ミカン、寿太郎みかん
和歌山県:有田みかん、しもみつみかん
愛媛県:西宇和みかん、うわの赤箱
熊本県:熊本みかん
長崎県:出島の華、味っ子
佐賀県:さが美人、あんみつ姫
また、温州ミカンは収穫時期によって「極早生温州」(9月~10月収穫)、「早生温州」(11月~12月収穫)、「中早生温州」(12月中旬収穫)に種別されています。
形態
常緑低木
樹高
1m~3m
開花時期
5月中旬
耐寒性 / 耐暑性
普通 / 強い
用途
食用、鑑賞用
特性
注目すべき栄養成分
果実の栄養成分では、ビタミンCが豊富なのは言うまでもないですが、カロチロイドの一種「βクリプトキサンチン」の含有量が果物の中でも多いことを注目すべきだと思います。この成分は、体内でビタミンAを生成し消化器官や視力に効能があります。またこの成分は、発がん抑制作用、老化抑制に効果があるといわれています。
隔年結果になる理由
温州ミカンは果実の中で、ジベレリンという植物ホルモンが生成され、近くの芽に働きかけ花を咲かなくする仕組みがあります。これは、樹を疲弊させないよう防御しているのだと思います。また、果実を大きくするために樹に蓄えている糖を消耗するします。このジベレリン効果と糖の欠乏で実がたくさん着いた翌年は出来ににくくなるというわけです。
みかんの栽培メモ
ふやし方
種蒔き:発芽温度20℃以上、種から育てて収穫するまで10年以上掛かかります。
接ぎ木でふやす。
栽培環境
日当たりのよい場所。
土づくり
鉢植えの場合、赤玉土小粒7:腐葉土3を混ぜたものなど。土はあまり選ばない。露地植えは、大きめに掘り上げた土と腐葉土を混ぜて埋め戻す。
植え付け
3月中旬~4月中旬が適期。鉢植えの植え替えは、通気のため2年~3年に1回必要。
水やり
鉢植えの場合、土が乾いたらそこ穴から流れるくらいみずやり。露地植えの場合は、必要なし。
施肥
露地植えは、3月、6月、10月に有機肥料、鉢植えは3月、6月、10月に緩効性化成肥料か有機肥料を株元に追肥。
摘果
7月中旬~8月中旬が適期。実が多いときは摘果します。
収穫
9月下旬~12月下旬
剪定
3月が適期。
苗木が1年~3年の小さい時期は、剪定を控え成長を待ちますが、成木になっても放置すると管理・収穫が難しくなってきますので剪定が必要です。
3年目で主要枝を見極めて3本程残し先端を少し切り戻し、翌年に主枝を横に拡がる様に誘引します。
開心自然形仕立てという樹高を抑え横に分散する樹形を目指し、管理と収穫をしやすくします。
剪定は強く行うほど枝葉が少なくなり樹勢を弱めることがあるので、枯れ枝、下垂枝、夏秋梢、混みあい枝を適切に剪定し、徐葉率20%以下に留めます。また、不要枝を剪定する時、根元を残すとそこから枯れてしまうことがあるので付け根から切り取ります。
柑橘類のその年に伸びた枝(1年生枝)は、春枝の果梗枝(注)、摘果枝(注)、発育枝(注)があります。もとの樹には果梗枝、摘果枝、発育枝が混在しています。その年の花数は少ない状態ですと発育枝の発生が多いので翌年は花数が多くなります。
隔年結果している場合の着果が多い予定の表年には、花数を減らす剪定(予備枝剪定)を早めて強めに行い、裏年には剪定を遅らせ弱剪定を行うことで新梢伸長を抑制し、来年の春枝を充実させ安定に向かわせます。
輪状芽:切り返しした付近に春芽と夏芽の境に当たる輪状芽という節がある場合は、その下で切ることで強い芽を吹かせることができ、数本の発育枝となりますので樹勢回復や骨格形成の剪定として行います。また、10月中旬に輪状芽の先で切ると春芽が多く発生し、結果母枝となり着果が見込まれます。
*注釈
果梗枝:前年に果実を成らせた枝、来年は花が着かず発育枝となります。
結果母枝:そこには花が着かず結果枝が発生します。
結果枝:そこに花が咲き、実を結びます。
病害虫
黒点病はかびが原因、枯れ枝に作られた胞子が、雨のたびに流れ出して感染する。切り株や放置された剪定枝からも胞子が飛んで果実に感染するので、病気になった枝等の処分が肝要。果実への主な感染時期は、梅雨や秋雨など長雨の時期。この時期に防除薬剤、マンゼブ剤(ペンコゼブ水和剤、ジマンダイセン水和剤)の予防散布。マシン油の混用も効果あり。
そうか病も、かびが病原菌で、葉の病斑で越冬して、雨が降るたびに伝染する。5月下旬の花が落ちたころから7月下旬までに雨が多いと発生が多くなる。防除は、雨が降る前からペンコゼブ水和剤やデランフロアブルなどの保護剤を定期的に散布する。落弁期は、果実への感染を防ぐのに大切な時期であるので、ストロビードライフロアブルやマネージM水和剤などを使用する。
ミカンサビダニは成虫が芽の隙間で越冬し、6月中旬から7月上旬にかけて葉での寄生が多くなり、その後果実への移動を始め、10月〜11月頃に果実での寄生が最も多くなる。このため、果実への移動を開始する6月下旬頃に防除。サンマイト水和剤やダニカット乳剤20。
アザミウマ類、果実への障害を与える害虫としては、チャノキイロアザミウマが最も厄介である。年間発生するが夏に何回かのピークがある。コテツフロアブルやスピノエースフロアブル、ダーズバンDF、ハチハチフロアブルなど。
カイガラムシ類は発生を確認したら、すぐにスプラサイド乳剤など有機リン剤を散布する。また、冬季のマシン油散布は、カイガラムシ類防除に加え、他の越冬害虫にも効果がある。