ここ離島の前島では、クロガネモチ(黒鉄黐)は島民から「アクラ」と呼ばれ親しまれています。購入した我が家にもバルコニーのすぐ下に植えられたのか、鳥が種を運んで来て芽吹いたのか不明ですがかなり育った樹がありました。
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クロガネモチ(黒鉄黐)の四季
春
夏
2020年5月31日 ひそやかに花をつけていました。葉に隠れていてカメラのピントが合わせられず・・
冬
2019年12月31日 剪定 バルコニーのすぐそばに自生して何かと妨げになるため、このように毎年短く切り詰めています。
クロガネモチ(黒鉄黐)のデータ
基本情報
原産地
東アジア。日本では関東~沖縄で自生しています。
学名
Ilex rotunda
(英)kurogane holly、round leaf holly
(別)アクラ(島民の方に教えられた名前です。いろいろ調べても出てこないワードなので局所的な方言かもしれません)
ソヨゴ(別名フクラシバ)はよく似ていますが別ものです。
科名 / 属名
モチノキ目 / モチノキ科 / モチノキ属
名前の由来
モチノキの仲間なので樹皮から「鳥もち」がとれ、葉柄や若枝が黒褐色でさらに葉が乾くか焼かれると黒く変色し黒鉄(クロガネ)を想わせるためクロガネモチの名となった説があります。
クロガネモチの音に似ている「苦労がなく金持ちになれる」、「苦労の後金持ちになれる」などの語呂の良さから縁起の良い木と言われています。
品種
班入りクロガネモチ:葉に黄色の班があります。
形態
常緑高木
樹高
~10m
開花時期
5月~6月 雌花は白い2㎜長程の花弁5~7枚の小さな花、雄花は花弁がさらに小さく雄蕊が突出していて目立つ花をつけます。
耐寒性 / 耐暑性
普通 / 弱い
用途
庭木:クロガネモチは燃えにくい樹のため古来より延焼を防ぐため家の周りに植えられ、また、縁起の良い木なので庭木によく利用されます。
街路樹:塩害、排気ガスに強いため利用されます。
特性
雌雄別株、雌株は秋に赤い実を鈴生りのようにつけます。葉は春に新芽がでて古い葉は落ちます。
栽培メモ
ふやし方
種蒔きでふやせます。秋に実が赤く熟したら採取し種を取り出し、乾燥させないようビニール袋などで密閉し冷蔵庫で保存し、3月~4月に種蒔きします。種から育てると雄株か雌株かどちらかが出来ますが、花が咲くようになるまで分かりません。実生苗は鉢に取り3~4年育てると接ぎ木の台木に使えます。まだ発芽させた経験はないのですが、播種から発芽までは遅く1年越しのケースもあるそうです。
接ぎ木は、種蒔きから3~4年育てた雄株を台木として成木の雌株から穂木をとり、即座につぎ木します。台木は株元から10cmに切り詰めV字型の凹にカットし、穂木は雌株の前年枝から2芽以上つけた8cmでV字の凸型にカットし凸と凹が表皮も合わせてぴったりになると完璧です。接いだ部分はつぎ木テープを巻いて固定し、乾燥しないようにします。
栽培環境
日当たりのよい、保湿のよい肥沃な土壌を好みます。少し日陰でも育ちます。
土づくり
赤玉土に腐葉土、完熟堆肥を2割程度混和して土に混ぜ込みます。
植え付け
11月~3月初旬が適期。苗穴は大きく取り、保湿のため腐葉土か堆肥を多めに入れる。
鉢植えは、2年に1度程度の植え替えが必要。
水やり
露地植えは根付いたら不要ですが、夏乾燥が続くようなら水やりが必要です。
施肥
2月に緩効性肥料、化成肥料の寒肥。花付きをよくし実をたくさん付けさせるには特にリン酸を与えます。
剪定
6月花後が適期ですが、切り詰めにつよいので花芽、結実を気にしないならいつでも、大丈夫です。徒長枝、混みあった枝などを、切り落とし風通しを良くします。
病害虫
病害虫には、とても強いのでとくに気にしなくても大丈夫のようです。
我が家でも毎年強剪定して後は何もしていませんが健康です。