元の住人が植えたボケ(木瓜)の木が2本。春になると深紅の花と、紅白斑の花が葉より先に咲き鮮やかです。奢ってくると側を通るのに棘があたって痛いので小さく切り詰めます。
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ボケ(木瓜)の四季
春
2019年3月27日
夏
2018年8月25日 果実が実りました。
ボケ(木瓜)のデータ
基本情報
原産地
中国。日本には平安時代に入って来ました。本州~四国、九州で植栽されています。
学名
Chaenomeles speciosa (コエノメロス・スペシオサ)
直訳すると「華やかな、大きく裂けるリンゴ」となるようですが、”裂ける”が謎です。幹の皮が裂けることがあるのでそのことから?あるいは、果実が枝にこびり付いたようになり割れて見えるものがありますがこのことからでしょうか?
(英)flowering quince,Japanese quince
(別)唐木瓜(カラモクコウ、カラボケ)
科名 / 属名
バラ目 / バラ科 / ボケ属
名前の由来
果実が瓜に似ているため、木に成る瓜から「木瓜(もけ)」「木瓜(モックワ)」と呼ばれボケに転訛した説。今の中国では「木瓜」はパパイヤを指すそうです。
品種
ボケは、平安時代からの歴史の積み重ねからもあって品種はたくさんありその数200種ともいわれています。
日本原産のクサボケ(草木瓜)に対して中国原産のマボケ(真木瓜(毛叶木瓜))があります。
園芸品種で「四季咲き」(春と秋に咲く)、「寒咲き」(12月に咲く)、「早咲き」(1月に咲く)、「中咲き」(2月から咲く)、「晩咲き」(3月から咲く)が育成され、品種によって開花時期を選べます。
枝に鋭い棘の有るものと無いものがあります。
花の色によって紅はヒボケ(緋木瓜)、白はシロボケ(白木瓜)、紅と白の混じった花びらのサラサボケ(更紗木瓜)と呼ばれる場合があります。
形態
落葉低木
樹高
1~2m
開花時期
11月~5月 品種による
耐寒性 / 耐暑性
強い / 強い
用途
庭木、生垣、鉢植え、盆栽
近縁種にカリンのこともあり、果実は、黄熟したものを果実酒や咳止め鎮痛剤の材料に用います。シロップ、ジャムも作れます。
特性
梅に似た花が枝を覆うようにたくさん咲きます。一般的に鋭い棘があり、旺盛に新梢が生長します。
栽培メモ
ふやし方
種蒔き:秋に果実が完熟したら収穫し種を取り出し充分水洗いし、薄い覆土で直ぐ播きします。発芽は春ごろになります。
挿し木:枝を10㎝程に切り、十分水揚げさせ、挿し木用の土に挿します。日陰で水を切らさないように管理し、翌春には定植できます。
栽培環境
日当たりのよい、保湿のよい肥沃な土壌を好みます。少し日陰でも育ちます。
土づくり
赤玉土に川砂を混ぜ腐葉土、完熟堆肥を2割程度混和して土に混ぜ込みます。
植え付け・植え替え
10月が適期。苗穴は根鉢の2倍程度大きく取り、腐葉土か堆肥を混和して植えます。
鉢植えは、2年に1度程度の植え替えが必要です。
水やり
植え付け後2ヵ月ほどは、乾燥させないよう水やり管理します。根付けば水やりは不要です。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらたっぷり水やりします。
施肥
寒肥に遅行性肥料を、花後にお礼肥として緩効性肥料を与えます。順調に育っているなら特に必要ないと思います。我が家では、8年間一度も施肥していませんが毎年綺麗に咲いています。
剪定
花後に新梢が徒長し長く伸びた枝を切り戻します。落葉時期の剪定は、樹形を整えるよう混み入った枝やひこばえを選定します。落葉時にはすでに花芽がついているので注意し、花芽から10㎝程上を切り戻します。
病害虫
根頭がん腫病:土に棲む細菌によるもので根の地際にコブが出来次第に肥大する、バラ科によく発生する病気です。発生した株を処分し、土壌の消毒が必要になります。苗を植えるときに新しい土に植えるようにします。
赤星病:サビ病の一種で葉の表面にオレンジ色の斑点が出てやがて裏面に毛羽だった病斑が現れます。他の植物(カイズカイブキ等)で越冬し春に移動してきます。
対策としては、周辺に中間宿主になるようなビャクシン類を植えないこと。葉に黄色い斑点が現れたら速やかに取り除き拡がるのを防ぐことです。胞子が飛散する前に薬剤で防除したいです。
グンバイムシ:2㎜程の吸汁害虫です。葉の裏から吸汁し黒い斑点を作り葉緑素が抜けるため葉の表が白くかすれます。夏から秋にかけて多く発生します。防除は、オルトラン粒剤、スミチオン乳剤が効果がありそうです。
アブラムシ: