離島暮らしで見えてきたこと(5)田舎暮らしとDIYと老いと
離島、前島に移住して10年経ちました。高齢者とスタンプを貼られたいま、改めて田舎暮らしを考えました。
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田舎暮らしの厳しさを妻のケガでつくづく実感!
先日、煙突修理のため足場を組んで、夫婦で作業していたのですが、妻が3mの足場を踏み外し落下、背骨を圧迫骨折したのでした。
当時は、救急車も1時間に1本のフェリー待ちで直ぐには来れないし、田舎道は走行もままならない。折角のドクターヘリの出動も、着陸地点まではその救急車で搬送なのです。
今回のケガでは、意識もしっかりし、手足も普通に動いているので、脊髄は大丈夫だろうと、安心でした。しかも術後1週間もしないで病院内の売店などに歩き回っているほどの回復でした。が、・・・
改めて感じたのは、田舎暮らしは危険と隣り合わせ。1分を争う処置が必要な緊急事態では死を覚悟するしかない。
妻のケガに友人からのアドバイスは辛辣
妻のケガを聴いた都会の友達は、口々に「なぜ、貴女が高所作業を・・・」。
当然のこと、都会ではガテン系の女子でもなければ、ましてや奥様が屋根に登ったりはしない。
さらに、私が狭窄症でキツイ作業は出来ないのだから、
「誰か頼める人はいないの?業者に頼むべき、身体は金には代えられないのだから・・・」と言われるのです。
普通に考えると当然のお言葉です。
助っ人もいないし、業者発注の資金もない
離島には若い人もいないし、頼む人もままならない。
さらに移住者には、遠慮なく作業を頼める友達がない。
気心知れた友、苦楽を共にした仲間、竹馬の友、親戚、移住者には誰も近くにいないのです。
業者を頼むにも、そもそも年金暮らしでは、たちまち生活費を圧迫することになります。それに、離島に出向いての作業は費用も割増になるのです。
そもそも田舎暮らしの醍醐味はDIYではないか!!
都会を捨て、離島に移住したのは、この不便を買ったのです。
全てをあるがままに、在るもので生きていくことを選んだのです。
草を刈り、藪を整え、野菜を作り、果樹を植えて自然の恵みを頂く。
毒虫や害獣にも付き合い方を覚え、荒ぶる自然にも抗いながら生きていく。
そのためには、全てを自分たちで持てる叡智を駆使し、更に磨き、自ら創る。
田舎暮らしの醍醐味は、DIYなのです。
しかし老いと持病で作業がままならなくなってきた
この離島に移住して、既に10年経ちました。
最初の頃は、出来ていたことも今ではままならないことも多くなってきたのです。
草刈りをするのも、1日で終えていたのに今では4日かかります。
脊柱管狭窄症という背中の神経を圧迫する病気にやられ、まさに老いと病に蝕まれて、田舎暮らしを厳しい試練にしているのは確かです。
田舎暮らしを続けたいなら
私がここ前島に移住したのは、都会の暮らしに怠け切った身体の57歳でした。
田舎暮らしを始めるには、体力が必要なのです。自らを律し鍛えていなければならない。
テレビで、80歳を過ぎた後期高齢者が山奥で1人でだれの手も借りず頑張っている姿を見ます。
私もまだ間に合うはず、これから初老の体に鞭打って、鍛え直し、田舎暮らしを生き抜きたい。
そして、何にも代えられない自然の中の生活を全うしたい。と思うのです。