暖冬 豊作なのに農家は大打撃!!
今朝のTVニュースで、畑の真ん中で大きな大根を抱えて『捨てるしかないっ!』と吐き捨てて嘆いている農家さんを見ました。
野菜農家さんは、折角立派な大根がたくさん出来たのに全てハネだというのです。指定の箱に納まらなければ規格外で出荷できないというのです。
最近まで経験してきた農業の不条理な面を思い出しました。
先日、「ハネ」について少し触れた投稿をしましたが、もう少し詳しく説明します。
「ハネ」は、品質検査の「撥ねる」(ハネる)に由来するといいましたが、工場の製造工程で行う品質検査で撥ねるのは不良品ですが、農作物で撥ねるのは、傷みや未熟など品質を満たさない不良品はもちろんですが、箱に入らないという理由で立派なものも撥ねられてしまうのです。大きいからオオアジということではありません。
露地の農家は、肥料や農薬に経費をとられ、大変な労力と時間をかけて、立派な作物が出来ても、病害虫や害獣の被害にあったり、また天候不良で不作であったりします。これは、自然相手のリスクなのだと言えるかもしれません。
しかし、今年のように暖冬が手伝って、折角豊作なのに、出荷できないというのは、システムがおかしい。
ここ前島でも、この暖冬で、キャベツの『生長がはやくて収穫が間に合わない』と80歳を超えた農家の方の嘆きを聞きました。
彼は、先祖より受け継いだ土地を護るために懸命に農業を続けています。肥料、農薬、農機具の維持と大変な経費をかけても、農作物の価格が暴落したり、不作であったり、さらには豊作でも出荷できなかったりです。
こんな農家の子供たちは、農業に失望して都会に出て行ってしまうのです。
過疎地の農業の担い手を、何も知らず田舎暮らしに憧れる都会の若い人に求めていますが、その前に変えなけれなならない仕組みがあるようです。